日本ウパルパ協会のソチミルコ(メキシコ)に於ける
野生アホロートル(ウーパールーパー)保護活動について
あまり知られてはいないが、野生のアホロートル(ウーパールーパー)は絶滅の危機に瀕している、その為ワシント条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約付属書Ⅱ類)に記載されている。
原因は現地ソチミルコの水質悪化、乱獲、外来魚(コイ、テラピア)の侵食、幼生の生育不全、これらの問題に速やかに対応しなければソチミルコに住むアホロートル(ウーパールーパー)の絶滅は免れない。
アホロートルの現状
1998年には100メートル四方に6000匹いたとされるアホロートルですが、最近の調査では、3ヶ月の調査で1匹も捕獲できなかったとの事で、危機的な状況になっています。
その為にメキシコ自治大学のアホロートル(ウーパールーパー)の権威Dr.Zambranoと共同研究をメキシコ自治大学で行い、野生アホロートルの様々な困難を解決すべく当協会の技術を提供する。
それと同時に現地NPO法人REDESの行っている保護活動に協力体制を作る。
協会の代表 渡部 久 はアホロートル(ウーパールーパー)を長年研究、繁殖し、品種改良まで行っており、普通のアホロートル(ウーパールーパー)を毎年約3万匹生産している、その技術を直接指導する。環境対策に対しては、山梨市某所のホタル再生に貢献し毎年ホタルの数を増やしているのでその技術を活かし指導する。
その他ネコによる害獣対策の発案、実行、指導、啓蒙活動、講演なども行っている。
① それでは現地で何をしなければいけないか、先ず野生下における繁殖実態の解明(何月に産卵し、どの位卵数を産むのか、幼生時の水温による成長率も違い、死亡率の確認)。
② 繁殖プログラムの構築及び、環境対策
今まで行って来た繁殖経験や繁殖に関係するデータ、対処の法方の技術指導
外来魚の駆除の方法
コイとテラピアを現地の漁師から買い上げ、それを現地で加工し食用(日本食的に加工し販売)及びアホロートル(ウーパールーパー)用の飼料開発。 (飼料開発は当協会員の日本淡水開発 下釜 豊久 が技術指導を行う)
現地のアホロートルの幼生に於ける死亡原因の解明。(只今世界中の繁殖個体でも起こっている)
この幼生の死亡原因は、只今当ファームにおいて研究がかなり進み、あと少しで原因や対処の方法が掴めそうです。
計画
3年で約3万匹の個体を生産し、その中から優良個体の判別をし、その判別をした個体を種親として使う。
♀300匹 ♂200匹の個体群を3~5パターン作る。
4年目以降は何事もなければ継続
10年目には10万匹を生産する。(温室飼育での目標)
生産には、水、餌、人、場所が必要
水
水質について
弱アルカリが好ましく、鉱物の溶け出しの少ない水
出来れば、井戸を掘り、電気組み上げのオーバーフローで、掛け流しが良い
水温について
通年繁殖させるには、特別な水温が必要になる。
日本で唯一当ファームだけ通常の状態で通年繁殖を行っている。
(注意 薬品(胎盤性ホルモン剤)を使う場合は通常はない。)
これが特別な技術です。
卵の管理
卵を産ませる、産卵床(水草)は使い回しが効く園芸用ロープが必要。
温度もシッカリ管理する。
幼生の管理
幼生は水温変化が厳しいため、特別な管理が必要。
体調が3cmまでは死亡率が高い。
この餌もなるべく自然に近づける為、ミジンコを生産し与える。
ミジンコ生産も既に日本のファームにて実地していますのでこれも技術提供技術指導します。
① これを確認する為に、早急に現地に視察に行く。
② アホロートルは1年で1回~3回、1度に100個~500個の卵を産む
しかし、平均すると年1回200個と換算する。
♀300匹 から6000匹の子がとれ、その中の半分が♂なので、実質♀は3000匹で、育ち上がるまでに、共食いや死亡、選別を考えると約600匹になる。
♀600匹を使い12000匹の子がとれ、その中の半分が♂なおで、実質♀は6000匹になる。
育ち上がるまでに、共食いや死亡選別を考えると約3000匹になる。
この♀3000匹を使い60000匹の子がとれる。
その半分が♂なので♀は30000匹になります。
を繰り返す。
選別漏れは避難所に放し、自然繁殖を試みる。
10年で10万匹生産(温室飼育での目標)
アホロートルの繁殖用温室施設の建設
テラピアは1日に2トンも採れるのでこれを処理、加工する施設の確保をする。
1つの種が絶滅してしまうと、ドミノ倒しの様に、微生物、虫、それを捕食する生命体、生態系に大打撃を与える、だけでなく最終的には人間生活をも破壊します。居るべき生命体が居るべき処に生息出来ないのは、悲しい事だけではなく、人間にとって望まれない疫病の媒介や蔓延を招きます。